2011年10月22日(土)、朝からの雨が研修会を待っていたかのように止み、早い流れの雲の間から東京スカイツリーが姿を現した西日暮里の会場で、受講者23名、メモっこ経験者8名、大盛況の中、第二回の聞き書き研修会が催されました。

現在、聞き書きは、登米のメモっこ部隊が聞き取り調査と、詳細をまとめたワークシートというレポートを作成し、東京で文章化してドラフトを作成し、それを持って話し手のもとに再訪問し、修正や不明点の確認をして、ご本人の納得していただける形になったら「自分史」としてお渡しする、という形になっています。

始めるにあたっては、さまざまな懸念がありましたが、メモっこチームの真摯な姿勢が伝わったのか、情感たっぷりに子どものころの遊びや、美味しかったもの、楽しかったこと、プロフェッショナルな技術のこと、お祭りのこと・・・と、たくさんのライフストーリーをお寄せいただき、聞く側も温かい気持ちになって、その人とこの土地がますます好きになる、というとてもよい流れになってきています。お話いただけることをほんとうにありがたく思い、もっと充実した自分史にしたいとメンバーは頑張っています。

今回の研修は、事前に東京本部の聞き書きチームとメモっこ経験者のミーティングを開き、開催の目標について真剣に話し合い、どのような研修にしたいか、明確に設定して臨みました。

「研修を受けた方が、実際に聞き書き活動にどのように関わって行けるかを見せなければ、活動は盛り上がらない」という反省のもと、新しい息吹を吹き込み、「聞き書きの今後を一緒に考えてくれる仲間を増やそう!」という目標を持って準備を重ねてきました。

講師の聞き書きのエキスパート高田さんには、豊富なご経験を生かした、前回以上に親しみやすい中にも情熱の感じられる講義をいただき、ときに笑いのさざ波をおこしつつ受講者のハートをがっちりつかんだあと、実際にメモっこで中心的な活動を行ったかたから、登米で実際に使われている候補者表、チーム表、話し手にお渡ししているご案内などを見せていただき、「こんな活動をしています」という説明をいただきました。

参加者には、聞き書き後にまとめるワークシートと、それをもとに作られた自分史のダミーサンプルを1部づつ貸出して、ご覧いただくようにし、聞き書きの成果物を実際に見ていただきました。
このように現在行われている聞き書き活動の実際の活動イメージをしっかりと共有していただくことで、聞き書き活動の良さと、現状の活動の問題点をみなさんにも考えていただけるようにしたのが、研修の前半でした。

後半は、ワークショップで、5つのグループに分かれて、それぞれにバランスよく経験者に入っていただき、一人の話者の話を全員で聞きとり、ポストイットを使って時系列に並べ、ストーリーをみんなの前で発表する、という一連の模擬聞き書きを行いました。司会進行は、経験者のかたがテキパキと行ってくださり、時間配分も含め完璧なタイムマネジメントでした。

今回のワークショップでは、経験者が入ったことで、作業しながら的確にアドバイスをしてもらえたり、オブザーバーとして参加することで、経験者自身も新たな視点が芽生えるなど、ワークショップ全体の雰囲気はとても明るくエネルギーの感じられるものになっていたと思います。

その後、各チームごとに3分の制限を設けてストーリーを発表していただきましたが15分聞きとり、15分まとめ作業、3分で発表というのは疑似体験としては短いようですが、その中で参加者は課題や、こうしたらいいのに、という思いを持っています。それを表に出してもらう場所を次の「Q&Aセッション」に設けたのが、良かったと思います。

Q&Aセッションでは、見本となった自分史がやはりひとの人生を語るには薄いんじゃないか、とか時間が短いのでは、などとても具体的な指摘や質問が出ていました。(Q&Aセッションの内容についてレポート(2)にまとめています)

その後、アンケートに全員ご記入いただいて散会となったのですが、全ての方が、短い時間でとても沢山のご意見を書いてくださっていました。また、これは次に活動をつなげるための絶対条件であった、「実際に現地の聞き書き活動に参加してみたいか」という問いに対しては、ほぼ全員から参加したい、今後聞き書きツアーのようなものが組まれるなら情報が欲しい、という反応がありました。研修の手ごたえを一番感じられた部分でした。(アンケートの結果もレポート(2)まとめてありますのでご参照ください。)

研修を終えて、双方向的なものになったのではないかと感じています。参加者のかたの熱意が、講師や経験者スタッフにも伝わり、全員が積極的に参加する雰囲気になったことが大きいと思います。事前にミーティングで忌憚のない意見を聞かせてくださった東京本部の書き起こしチームの思いももちろんそのベースにありました。みなさんのご協力に、あらためて深く感謝申し上げます。

この研修を無駄にしないために、聞き書きをこのメンバーで1度は必ず行いたいと思います。今度は実地に出て、活動の課題をもっと浮き彫りにし、みんなが当事者として意見を出して具体的に改善を重ねる、この繰り返しを地道に続けていくことが必要です。そしてまた今回のようなセッションを続けていけたらと思っています。

 

>>聞き書き研修会<第2回>レポート(2)Q&Aとアンケート結果

 

(写真:東京本部ボラ Charlie 文:東京本部ボラ:Dylan Sanders)

 

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