海洋研究開発機構(JAMSTEC)の研究によると、地球が温暖化すると、北極域の海氷が少なくなり、北極で発生した低気圧の進路が変わり、シベリア地方、つまり日本の方向に寒気が入りやすくなって、ここのところの豪雪や厳しい寒さを引き起こしているそうです。

地球温暖化の影響で、わが聞き書きチーム(メモっこ隊)が都内から東北を目指す道も氷雪に閉ざされました。
仙台のメンバーが現地の状況を判断し、中止を勧告してきたので、RQのポリシーとしても危険を冒してまで行かないということで即刻中止となりました。


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現在活動しているメンバーはフルタイムで仕事をしている方がほとんどで、週末のみ、現地に行って活動するというスタイルを取っています。金曜の夜、夜行バスで仙台までまずたどり着き、そこから駅レンタカーまたはメンバーの提供してくれる車に乗って南三陸・登米方面に入ります。そこで2~3名の話し手の方にお会いして、その日のうちに仙台に戻り、ある者は新幹線で、ある者は夜行バスで帰路につきます。つまり日曜は空けてあるのです。アポイントをしっかり取っておくことで、日曜日はフリーになるので、体力的にも楽になります。

そんな中、中止を決めたのは木曜日でした。その時点で夜行バスの予約も取り、仕事も万事調整して、あとは現地入りするばかり、となっていたメンバーにとっては、バスのキャンセル料もかかり、せっかく予定を調整したのに・・という思いもあったかもしれませんが、そこはRQ。すぐに話が中止でまとまりました。

あとはお約束をしていた現地の話し手のみなさんに中止になったことをお伝えしなければなりません。

まず、午前にお約束のSさんへ電話。Sさんは、豊かな趣味の世界と、独自の歴史観をお持ちの方で、私からみたら伊里前博士のような方です。
雪で行けないと言う私たちに、Sさんは「こっちはそうでもないんだけどね。そうなの。いやいや」と不思議そう。海の見える場所にあるSさんの仮設住宅の周りは、意外に温かく、水道の凍結もなかったそうで、お話をうかがって安心しました。「こっちは24時間ヒマなんだから。いつ来てもらってもいいんだから」と言って下さいました。Sさんの自分史はもう完成しています。早くお届けしたい!

困ったのがIさん、金曜日から携帯電話がつながらなくなり、土曜日当日になっても何度かけても「電波の届かないところにあるか、電源が・・」というアナウンスが流れるのみで、「携帯電話の電池が切れているのを知らずに、私たちの到着を待つ」という最悪の事態になりそうで、ほんとうに焦りました。もし何かがあって電話が通じなくなっていたらどうしよう、との思いもありました。

思案するうち、聞き書きで何度もお会いしているKさんが、近くの棟にお住まいのことを思い出し、すがる思いで電話をしてみました。事情を話すと、Kさん本当にいい方で、「ああ、そういうことならいいよいいよ、近所だから。お知らせしたらそっちに電話すればいいのね」とすぐに動いて下さいました。それで連絡がつき、ほんとうに有難かったです。

Iさんにその後電話をしたら「ごめんね~、孫が、電話とめちまってさ(笑)」ナルホド納得です。「行けなくなってすみません」とお話すると、「こっちもすごかったんだよ、雪も積もって。もうツルツル。みんなツルってなってたよ(笑)。すべって危ないから、落ち着いてからきた方がいいよ」とのお話でした。仮設住宅の位置は、それほどSさんの所とは離れていないはずなのに、反応がまったく違っていたので、ちょっと驚きました。もしかしたら、数日の間に天気が激変したのかもしれません。自然はほんとうに侮れないと感じました。

Iさんのあったかい語り口に気持ちがほぐれたところで、最後に、「来週行ってもいいですか」の問いに、「待ってます」と大きな声でおっしゃって頂いたときはホロっときてしまいました。

来週、またレポートします。
聞き書きプロジェクト Dylan Sanders)

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