聞き書きの取材で、だんなさまにお話を聞いているとき、私たちは奥さまの様子が気になるんです。「うちの人、何を話してるんだろう」って気にしていらっしゃるのかな。一緒にお話を聞きたいのに遠慮していらっしゃるのではないかな。

だから、奥さまがお顔を出して下さったら、一緒に座っていただき、できるだけ話の輪に参加していただくようにしています。

きょうはサダオさんの自分史が完成して、そのお届け。サダオさんは、嬉しそうにできあがった本をめくりながら「冥途の土産だねぇ」なんて過分のお言葉。奥さまのキチヨさんは、本に目を通しながら寡黙になった夫に代わり、私たちに「これつまみなさい、お腹すいてるでしょ」とすすめてくださいます。いい大人になってしまった私たちでも、彼女にとってはいつまでもお腹をすかせた子供のような若輩者なのかもしれません。そして、私たちに作り方を伝授してくださいました。

キチヨさんのレシピ、お試しあれ。

◇クキの色がコーヒーゼリーのようなあめ色からヒスイのような美しい緑に変化、楽しいクキ煮

1. わかめのクキは食べやすい大きさに切り、1時間ほど水につけてアクを抜きます。
2. 1.の水を切って鍋に入れて火にかけ、時々硬さを確かめながら、やわらかくなるまで火を通します。
3. 2.をざるにあけて湯を切り、やわらかくなったクキを再び鍋に入れて、ひたひたになるくらいに水を入れます。
4. 3.に砂糖、醤油、ここにはちみつを入れるのがきちよ風です。これらを加えて煮ます。
5. 焦げ付かないように火加減には注意してくださいね。つやが出て水分が少なくなったらできあがり。
6. キチヨさんのおすすめは仕上げに白ゴマをトッピング。食感の楽しさと香ばしさをプラス!
7. ハイ、召し上がれ♪

◇味のバリエーションでカンタン、我が家風にアレンジできる!基本のおふかし

1. もち米は水につけて1晩くらいおいてからザルにあけ、清潔なふきんで包み、蒸し器で蒸します。
2. もち米がふくらんできたら、火を止めて、ふきんから大きなボールか器にあけます。ふきんは米が残らないようにきれいに洗っておきます。
3. 酒、塩、お水を打ちます(これを地元では「ひとぶつ」する、といいます)。
4. もう一度、洗っておいたふきんに包んでさらに好みの固さになるまで蒸します。
5. 蒸しあがったお米は保温ジャーや、発泡スチロールの箱を利用して温かさが逃げないようにしておきます。
6. ハイ、召し上がれ♪

味に変化をつけるには2.のときが勝負。炊き込みご飯風にしっかりと下味をつけてごま油をふって香ばしく仕上げるなど、好みの具材で中華風、洋風とアレンジできます

◇雪に舞い落ちたもみじのような美しさ。口直しにもかかせないお大根の酢漬け

 

1. 大根はその日に手に入った普通の大根で十分。いちょう切りなど好みの形に切ります。キチヨさんは、手に入るときは、聖護院大根を薄くスライスして千枚漬け風に作るとか。それも美味しそうです。
2. 塩を振って1時間ほどおいて水分を抜きます。
3. ざるにあけて水分を切ります。
4. 砂糖を隠し味程度に入れたお酢とだし汁適宜、輪切り唐辛子少々で和えて寝かせます。市販の「らっきょう酢」を利用してお手軽につけてもおいしく出来ます。
5. ゆずの皮の黄色と、唐辛子の赤をアクセントにして器に盛り付けます。
6. ハイ、召し上がれ♪

「これ、みんなに教えてもいいですか?」「こんなんでよかったらどうぞ」とキチヨさん。
横からサダオさんから、ニコニコしながら「うちのは無免許の調理師だから」と声がかかりました。「よそで食べてもうまいと思わない」

取材:聞き書きプロジェクト Dylan Sanders
写真:聞き書きプロジェクト オリさん

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