世間では薫風かおるこの季節、RQ現地本部のある登米市東和町の佇まいも見事な季節の移ろいを見せてくれています。

 

鱒淵小学校の周囲に広がる山々の灰茶色だった木々の肌と山の地肌がすっかり隠れて、萌黄色から淡い新緑へと衣替えして、今は白や紫の藤の花が各所でたわわに下がって、緑を彩っています。もうひとつ目を引くのが手のひらを広げたような棚状の枝が特徴のミズキの木で、棚状の緑葉の上には象牙色の花がいっぱい乗っています。その下にはピンクのウツギ。さらに下にはツツジが咲き乱れて豊かな里山の彩りを演出してくれています。

 


一方、3月11日の荒れ狂った津波を耐えて残った木々たちが、3月4月はとくに大きな変化もなく、無事だったと安堵していたのですが、この1週間ほどで一気にツツジ、松、杉、竹などが目立って茶枯れになってきました。この後、ほかの落葉広葉樹も続いて枯れていくのでしょうか。人間の世界で目を引く津波が触った家と触れなかった家の対照のような姿が自然界でも見えていて、同じツツジの群落で波の痕が一本の線で緑と茶を分けています。

 

避難所の多くで仮設住宅が姿を現し始めました。地区によって(施工業者によって)グレードに大きな差を感じさせるカセツに人々が移動し始めています。私は自分でも建屋の幾つかを建築してきたから感じるのですが、こんなカセツが一棟283万7000円! それも長屋なのに。どう見ても100万はかからないと思うのですが、個人相手ではなく国相手だから法外な価格なんでしょうか。

 

このカセツによって避難所の集団生活から個の生活に移ります。でも、現場で見てもカセツはゴールどころか、アップグレードでもありません。天秤にかけても針はせいぜい動かないでしょう。被災者の方々がカセツを待ち望みながら強い不安感を口にするのは、本能的にカセツが持つリスクを感じているからだろうと思います。でも人は新しい環境を求めるし、トライする本性をもつために避難所〜カセツ〜復興住宅への流れを刻んでいきます。

 

わたしたち災害ボランティアは良し悪しとは別のベクトルで、こうした前に進もうとする流れをフォローしていくことを仕事にしていきます。でも、自ら流れを創っていく動きも手にしています。今後、RQの第2フェーズに移行する中で、こうしたビジョンも報告していきたいと思います。

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