—「こどもゆかたプロジェクト・レポート最終版—その3」—

 

「ゆかた」レポート、遅くなっていて申し訳ありません。再開です。

 

祭り会場での進呈用のゆかたをのぞき、8月11日にはほぼゆかたを配り終えたRQ。翌12日はプロジェクトに賛同してくださり、ゆかた保管用の倉庫を提供してくださった山口建設さんへ行って後片付け。すっきりした倉庫を見て、長かったような短かったような2ヶ月のRQゆかたプロジェクトもいよいよフィナーレを迎えたのだなとリーダーやメンバーと感慨ひとしおでした。

 

そして週末は盆休みの土日とあって、各地でお祭りが行われます。RQも各所にお手伝いに出かけることになりました。私は名取市の美田園仮設住宅での祭りイベント会場に伺うことになりました。
名取は登米から2時間半ほどかかり遠いこともあり、ふだんは活動していないエリアですが、どこにでも駆けつけるすごい行動力の非常に頼もしいRQの女性支援センター担当がいまして、彼女が縁をつなぎ、ゆかた100枚を携えて、RQ名物のタオルおじさんことオイちゃんと二人で訪問しました。
この日の朝、名取に向かう前に寄ったのは、中瀬地区の皆さんが暮らす仮設住宅。チーム鱒淵メンバーからまだゆかた渡せていない兄弟たちがいるという情報を聞きつけ、お届けに行きました。鱒淵小学校を避難所に生活していた南三陸町中瀬地区みなさんが仮設に移られて早、二週間。RQの「チーム鱒淵」名前もそのまま、メンバーは中瀬へ今もお邪魔しています。

 

兄弟のお宅を訪ねると一番下の女の子はゆかたを目の前に興奮気味。私たちを見てはうれしそうに逃げ出してしまうので、試着してもらうのにも一苦労です。追っかけっこがしばし続きました。こんな時間がゆかたお届け隊にとって一番うれしい時。こちら東北の子供たちはとっても恥ずかしがりやさん、でもとっても人懐っこいのです。ほんとに愛らしいです。
二番目のお兄ちゃんはぴったりサイズの甚平を見事に着こなし、蛇のタオル人形ももらって大満足、一番上のお兄ちゃんはサイズが無く、ちょっと寸足らずのゆかたを甚平のように粋に着こなして、「短いから、動きやすいし涼しくていいね」と嬉しそうに言ってくれました。

 


(写真)逃げ回っていた、妹もやっと落ち着いてくれました。甚平を着たお兄ちゃんたちと記念撮影、ご存知タオルおじさんとタオル人形も一緒です。タオルおじさんはさしずめ真夏のサンタさん?

 

さて、兄弟たちとお別れして祭り会場へ向かいました。
南三陸町から約2時間、美田園仮設住宅は名取市にあり、約200人が生活しています。朝顔の日よけ棚、壁には絵が描かれていて、これからの暮らしへの優しいエッセンスと工夫が盛り込まれた素敵な住宅です。
こちらへは既にゆかたをお届けしているのですが、お祭りがあるのでそこでもゆかたコーナーを設けることで仮設にすむ子供たち以外にも、手渡すことができます。

(写真)朝顔が涼しげ、棟ごとに違う絵が描かれていてそれを見て回るのも楽しい。

 

集会所につくと、既にお子さんが何人かいて彼女たちにゆかたを渡しました。

(写真上)ふたりとも自分で選びました。妹はキティちゃん、お姉ちゃんはとっとこハム太郎柄、帯もぴったり!

 

お祭り会場にタオルおじさんのタオル実演コーナーと浴衣お渡しコーナーを設置。タオル人形葉相変わらずの大人気、お祭りのライブも盛り上がりいい感じのお祭りになってきました。事前にゆかたを配っていたので、会場にはゆかたを着た子供たちがたくさんいます。ゆかたを着て楽しそうに遊ぶ子供たち、この光景こそが全国のみなさんが思い描いた姿、それが目の前にあります。やって来てよかったと心から思う瞬間です。

(写真)どこでも人気のタオルおじさん、サイズも直しきちんと着付け髪もおしゃれに結った姉妹。浴衣姿で楽しくタオル人形を作っていました

 


(写真)ゆかたの色使いを見てるだけでも元気がでますね。

 

しばらくすると、コーナーに、ちょっと前に浴衣をあげた女の子が来て「私のお友達にもあげてほしいの」といって声をかけてきました。友達と一緒にゆかたを選ぶ楽しさは格別のようです。みんなでいろいろ注文をしながら選びました。本当にたのしそうでしたよ!

(写真)お友達にも無事ゆかたを渡せ、並んでおさまる可愛い3人娘、ゆかたは自分で選びます。サイズよりもセンスが大事。自分で選ぶからイメージにぴったりで感心するほど皆よく似合います。

 

美田園仮設住宅のある名取は、震災直後の、空港や田んぼや畑を次々と飲み込んでいった大津波のライブ映像で記憶に深い方が多いと思います。
この日は「なとり鎮魂灯籠流し」という催しが閖上(ゆりあげ)地区を中心に行われました。美田園の広場では、イベントの最後に竹灯籠が舞台に並べられました。先ほどまでの明るいお祭りの雰囲気を楽しまれていた会場も一転、厳かな表情に変わりました。例えようの無い悲しい過去、厳しい現実を抱えながら気持ちは未来に向けなければならない被災地の人たち。祭りは楽しむだけにあるのではないことを思い出させるとともに、私たちボランティアは何ができるのか、改めて考え直さなくてはならないと思わされる一時でした。

(写真)会場に並べられた竹灯籠、ひとつひとつに彼岸に渡られた方のお名前が刻まれています。

 

この一日、子供たちのすばらしい心にふれることができました。
中瀬地区のお兄ちゃんがちょっと寸足らずなゆかたを着て「短いから、涼しくて動きやすいね」とニコニコ笑いながら言ってくれたこと、女の子がお友達にも「ゆかたをあげたい」とつれて来てくれたこと。大人ですら(大人だから?)できない心遣いをたくさん見せられました。恐ろしい経験とあの厳しい状況の中を生活してきた子供たちは、大人以上に成長しているのだと思います。その人格に私たちははっとさせられます。こうした子供たちの優しさはすなわち強さなのだと思います。

 

ボランティアは無償という基本がありますが、同時にボランティアを経験することは、何にも変えられない報償を頂く機会であると、今回つくづく思いました。
そうこちらRQではボランティアまだまだ募集しています。案ずるより産むが易し、ぜひ来てくださいね。

(写真)登米への帰り道、明るい月に照らされた日本三景松島の眺めが幻想的に美しく見事でした。

 

次は私からの道中記、最終回、気仙沼市のお祭りの模様です。

 

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