あれは先週はじめのこと。
突然、現地本部に“よく分からない人”が来た。
 
活動期間を終えて帰路に付いたあるボランティアさんが、道ばたで気になる人がいたので連れて来たという。
 
名前は「タオルおじさん」。
タオルとゴムチューブで人形をつくる名人。
 
よく分からないので、近々開かれる子ども用のイベント準備チームに、とりあえず入ってもらうことになった。
 
このタオルおじさんが才覚を発揮し出したのは、その日の夜から。
ミーティングの時に皆の前で挨拶してもらったところ、彼は仙台で被災した後、各地の避難所でタオル人形をつくりながら徒歩で青森に向かっている途中だということが分かった。
 
なんてこと!
 
しかも、タオル人形は趣味ではなく、本業だという。
それ一本で家族を養い、遠くはニュージーランドまでパフォーマンスに出かけて新聞にも掲載されたというから、正真正銘のアーティストではないか!
 
…と驚いている内に、彼はみるみるボランティアの間でも人気者になり、毎晩体育館内のどこかでタオル人形講習会が開かれるようになった。
そして去っていくボランティアには、愛くるしいタオル人形をプレゼントしてくれるという優しさ…。
避難所でどれだけの人たちが彼に癒されたことだろう、と胸が熱くなった。
 
タオルおじさんは、タオル人形をつくり続けて20年。
春風にようにRQをふいっと吹き抜け、今ごろは再び、北へ北へと歩いているんだろうな。
 
(by登米ボラ 牧野)

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