先のゴールデンウィーク、RQの現地活動に参加したボランティアの中に、衆議院議員・環境副大臣の近藤昭一さんがいらっしゃいました。彼による活動記を、以下に転載させていただきます。

 

 

5月3~5日、宮城県登米市の旧鱒渕小学校に拠点を置くRQ市民災害救援センター(RQセンター)において、ボランティアとして活動しました。これは、「永田町」や「霞が関」にいると見えないことが多いのではないか、また、被災された方々のために少しでも直接できることをしたい、という思いからの行動です。

現地では、南三陸町で漂着物除去の作業に従事するほか、被災者や現地の首長、同じ志を持ったボランティア等の方々との、交流・意見交換を行いました。また、私が関わるNPO法人「地球倶楽部」による、救援物資配達用車両の引き渡し式にも参加しました。

現地でまず感じたことは、大震災に直面しつつも懸命に立ち向かっている被災者の姿です。また、地道かつ献身的なボランティアの活動や、地元の方による「ボランティアのためのボランティア」にも感銘を受け、地域に根を張った活動であることを実感しました。

実際の作業にあたっては、津波の爪痕を残す被災地を目の当たりにして、言葉を失いました。しかし、「自分たちの手で復興をやりとげたい」という自治会の方や、「被害の軽微な近隣の市町村をもっと活用すべき」という登米市長の力強い声も聞かれ、環境副大臣としてやるべき課題も明らかになりました。

引き続き、被災地の一日も早い復旧・復興に、尽力してまいります。

 

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【多くの方との交流】

(被災者との交流 ~ 被災された方の気持ちを受け止めたい)

         RQセンターの取り組みの一環で、南三陸町志津川地区から避難されている方と交流する。夜半にお酒を持参してRQセンターのある体育館に隣接する避難所に向かうと、長老格の被災者の方が焼き鳥やつまみを用意してくださり、軽い宴席となる。

 

         二人の方と話す。お一人は、勤め先が無事で、この間も勤務しておられ、もうお一人の方は、避難場所に終日とどまっていることが多いとのこと。我々が、「明日、南三陸の歌津に漂着物(廃棄物とかゴミという言葉に悲しみを感じる被災者も多く、こういう言い方をすることも最近は多いようである)を取りに行く」と伝えると、我々への謝意とともに、「自分も機会があれば行きたい。自分の家のところは自分で片付けたい。いろいろと思い出の品もあるはず」と話される。

         避難所の皆さんに届けられた「組立式の棚」の制作も手伝う。鳥取から見えたNPO法人が贈ったもので、製材された木片を組み立てて、好みに応じて大きさの異なる棚を作る。避難されている女性の方たちも、皆さん楽しそうで、出来上がると一目散に部屋に持って帰られ、早速荷物を整理しようとされていた。

 

         被害が甚大な気仙沼市の中でも、RQセンターのボランティアが漂着物の掃除をしている舞根(もうね)地区を訪ねる。ここは34軒あった家のうち、3軒のみが残ったところで、私たちが訪問した時には、津波で実家を全て持って行かれた家族の方が、思い出の品を探しに見えていた。ちょうど、大事な写真を見つけられたところで、私にもうれしそうに見せてくださった。ただ、その後、こっそりと涙をぬぐっておられた姿を直視できなかった。

 

         ここでは、「森は海の恋人」の著書で著名な畠山さんのお宅(3軒残ったうちの1軒)を訪問。畠山さんは、「地元は団結して、高台にみんなで移ろうといっている。その際、地元の山を開き、仮設住宅や復興住宅の際には地元の材木を使うべき。それが、山の手入れを進め、ひいては、海を豊かにし真の復興につながる」とのこと。こうした人たちの力をうまく発揮していただく方法を採用すべきと考えさせられる。

(地元の首長との意見交換 ~ 被害が比較的軽微だった近隣地域の人々の支え)

 

         地元登米市の布施市長や市議の方々と懇談する。海岸の南三陸町に比べて被害が軽微であった登米市による、被災地支援の取り組みを紹介していただく。被害のない、あるいは軽微だった近隣の市町村をもっと活用すべきとの考えを聞かせていただく。

 

         今後の復興に向けて、例えば仮設住宅などの立地探しにおいて、こうした隣接市町村も視野にいれるべきと実感する。霞が関にいると、どうしても国が仕切って大きく動かしたくなるが、本来はもっと地域に密着し、地域の声に耳を傾けるべきではないか。

 

         被災された地域の自治会である伊里前契約会の関係者からも、話を聞かせていただいく。「もともと、ここより下に住んではいけないといわれてきたところであった。その教えを改めて守り、高台に住むべきと思っている。そのため、契約会の仲間に呼びかけて、みんなが住める高台の土地を用意した。そこでの復興を自分たちの手でやりたい。『結っ子(ゆいっこ)』という言葉があり、地域はまとまっていなければならない。77世帯中74世帯が流されたが、ぜひ国の支援をお願いしたい」と。

 

(ボランティアの方との交流 ~ 全国各地からのあたたかい心)

 

         夜のミーティングで、RQセンターの総本部長である広瀬さんが私を紹介してくださる。私の意図「環境副大臣としてではなく、一人のボランティアとしてきた」を大切にしてくださり、私が関わる「地球倶楽部」の活動に触れながら、上手に紹介してくださる。政治に対する関心も深めてもらいたいという気持ちで、少しだけお話をさせていただいた。暖かい拍手に涙が出そうになる。

 

         行動を共にした南魚沼ボランティアグループの皆さんと意見を交わす。学生の方も何人かおられ、「政府も責められて大変でしょうが、頑張ってください」と励まされる。

 

         避難者とボランティアの皆さんの相互の交流のために作られた足湯温泉を試し、感銘を受ける。足湯温泉は、ボランティアが独自に発案し創意工夫を重ねたものとのこと。

         ボランティアとして各避難所を回り、タオルでウサギやクマなどの人形を作って癒しを提供されているタオル人形作家の及川さんと知り合う。「人形を作りながら話をすることによって、心が落ち着くんだよね」と語る、やさしく素敵な方である。

 

         センターの現場責任者の佐々木さんとも話す。彼も、復旧・復興にもっと、地元の声と力を反映すべきと力説する。復興構想会議の五百旗頭議長らが東北を訪れ「構想に地元の声を反映」という報道がされていた。議長が面談されたのは地元の知事さんや市長さんのようだが、ぜひ、もっと地元に近い町や地区の方の声を聞くべき

         また佐々木さんは、画一的な仮設住宅ではなく、地域の仲間が一緒に住める、狭くとも共同スペースがあり、みんなで和気あいあいと出来るように自由に設計したいとのこと(もちろん、建設費は同程度で)。傾聴に値する提言だと思う。

 

(地元の方との交流 ~ ボランティアを支える地元の皆さまの心)

         地元の方による、「ボランティアのためのボランティア」に、大きな感銘を受ける。

 

         RQセンターの活動を知った地元の方が、自発的にマイクロバスを借りてきて、ご自身の仕事をこなしながら、現場へ向かうボランティアの人たちを送迎している。さらに、家の離れを宿泊場所として開放されてもいる。

 

         ボランティアのための食事提供にも地元の方が手伝われている。

 

         私が訪れた唐桑では、ラーメン屋さんのオーナーが共感し、ボランティアとしての活動場所を提供している。

 

         地元集落の何軒かで、「RQセンター支援の家」を構成(家の入口には立て看板)し、交代でボランティアの人たちにお風呂を提供してくださっている。私も、入浴させていただいたが、ご主人の手づくりの名刺に、胸が熱くなる。

 

【ボランティアとしての活動】

 

         南三陸町歌津地区にて作業を行う。地元の伊里前契約会から要請のあった、「山の神さま」の祠の周りの片付け。こうしたところは、重機の活用が困難で人の手によるしかない。災害廃棄物の処理としては後回しにされやすいが、地元の方にとっては大事な場所であり、復興に向けて頑張る避難者のみなさんにとって、本当にうれしいこと。

 

         移動途中、車から見える風景は厳しく、いわき市の視察で経験してはいたが、改めてごっそり流されてしまった町に言葉が出ない。広瀬さんによると、「災害廃棄物の移動は進んでおり、以前はもっとひどかった。自衛隊が、まず遺体捜索を行うとともに、重機などを用いて大まかな処理をする。それが済むと今度は本格的な後片付けとなる。」と話される。自衛隊の部隊によって、そのやり方に少し違いはあるとのこと。

 

 

【今回ベースとした「RQ(レスキュー)市民災害救援センター」とは】

 

         全国からボランティアを募り、甚大な被害を受けた地区に隣接する登米市に拠点を置くとともに、数か所のサテライト基地を運営。運営方針として、あくまでも活動は、各人の自己責任、自己完結による、ボランタリーなものとすること。日々、ボランテイアによる創意工夫、話し合いを重ねて運営されている。

 

         活動は幾つかのグループに分かれて行う。それぞれの内容は以下の通りであり、ボランティア参加者は前日に自分の希望する活動を申請する。

デリバリー:被災された方々へ物資を配達(引き渡された車両が大活躍)、要望ヒアリング

フロア  :全国から送られてくる救援物資の受け取り、管理、棚出し

キッチン :ボランティア用の食事づくり

ひまわり :気仙沼市小泉中学校にて簡易シャワーサービスなどを実施

温泉送迎 :被災者を被災地から温泉地へ送迎

チーム鱒渕&登米:被災地から登米市内に避難されている方たちへの支援

河北VC :石巻市河北地区を拠点に活動、主に泥だし作業(マッドバスターズ)

歌津VC :南三陸町歌津地区を拠点に活動、主に漂着物・ゴミの回収作業

唐桑VC :気仙沼市唐桑地区を拠点に活動、主に片付け作業

 

         RQセンターでは、一日三食、食事が提供される。自分の食器を持参し、ごはん、おかず、汁物をもらう。中には自らおかずを持参している人もいる。また、ボランティアで来た人たちが残していったり、差し入れたお菓子やコーヒーもある。

 

           睡眠は、体育館に張ったテントの中に寝袋をひいて眠った。

 

           センター内では随所に工夫が見られ、例えば伝言ボードには、自分が提供できるもの(歌を歌える、勉強を教えられる、絵本の読み聞かせが出来る、等)のほか、提供して欲しいもの(電気製品修理、マッサージ、等)が書かれ、マッチングが図られている。

 

(近藤さん、気持ちのこもったレポートをありがとうございました。)

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