南三陸町はお祭りの町でもあります。

 

伊里前契約会は江戸時代元禄から続く講中組織ですが、伊里前三嶋神社の大祭を担うという重要な役割も持っています。
4年に一度の大掛かりなお祭りの年に当たっていたため、今年は太鼓屋台に上がることを子どもたちも楽しみにしていたといいます。
御神輿、古い4つの獅子頭、笛、そして江戸時代から旧家に伝わる一つ一つが手作りでデザインも異なる特別な祭り装束などが、みな津波で流されて失われました。
町のすべての人が参加するお祭りはコミュニティの団結の象徴だったに違いありません。
仮設住宅での生活や将来の移転先も不安な中で、住民の皆さんの心の片隅にはきっと「お祭りが復活する日は来るのだろうか」という思いがあることでしょう。

 
獅子舞
*写真は南三陸観光データベースより

 

南三陸町観光データベースで、とてもユニークなこのお祭りのことを知った私・蜘瀧は、契約会の方に「過去のお祭りを記録したビデオはないだろうか」と尋ねてみました。
翌日には契約会前会長で神社責任総代の小野寺弘司さんがお菓子屋さんが保管していたビデオ映像を探し当ててくださり、7/6歌津中学で契約会員とRQメンバーで鑑賞する会がもたれました。

 

三嶋神社秋期大祭

 

お祭りは東北には珍しい「暴れ神輿」で、御神輿を回転させて海の岸壁で担ぎ手が宙に舞ったり、急な階段をロープで引き上げたり、ジグザグに町を練り歩いたり。
笛太鼓をする子どもたちが着る伝統衣装は、よく見ると山伏装束をアレンジしたもので、家紋も入っています。
それを着られる子どもたちはさぞかし誇りに思ったことでしょう。
年によっては、神輿を船に乗せて湾を回り、あるいは標高512mの霊峰・田束山(たつがねさん)頂上まで担ぎあげました。
毎朝田束山方面に夜明け前のジョギングをしていた私は、樋の口という昔の中心集落で、シイタケ農家の方から「子どものころは、もっと険しい登山道を神輿を押したものだ」と誇らしげに語られるのも伺いました。
7/13にRQで地元の方を招いてバーベキューをしたとき、現在の契約会文化部の若手・千葉さんが「祭り囃子が聞こえてくると体がうずく」と獅子舞の腕の構えをその場で見せてくれました。
 
「いつ祭りは復興できんだろうなぁ・・・」
 
集まった人たちはみなそうつぶやきました。
RQ歌津センターは、私たちにできるささやかな支援を考えたいと知恵を絞っています。まずは、この記録ビデオを短かく編集して、そこに写っている津波前の町並みの姿、大人子どもが一丸となって楽しむ伝統コミュニティの姿を、歌津ボランティアが知るための資料にしようということになりました。
RQ東京本部にお願いして、第一弾の編集ビデオが出来上がっています。

 

7/13にはRQに神社三役が被災後初めて集まり、三嶋神社そのものの修復の相談会がもたれました。海辺の高台にあった社殿は無事でしたが、社務所が失われ、地震で本殿・鐘つき堂の瓦が落ちました。
参道の漂着物撤去はRQが歌津に来て一番初めにやった仕事のひとつでした。
神社の修復も地元だけの力では困難という見通しもありますが、静岡県三島市の三嶋大社が神輿一基を寄付するという話もこの日伝えられました。
また、RQ東北本部長・佐々木さんが外部からのお祭り復興支援をつなげそうだという話を持ってきてくださり、神社関係者や契約会の皆さんは大層喜んでおられました。
南三陸町
 
絵馬

 

ボランティアをする合間に、地元の方が語ってくださるお祭りの詳細や意味をしっかりと聞き取り、地元の歴史文化の重みをRQも受け止めることが大切だと、蜘瀧は思いました。そんなわけで、3ヶ国のボランティア国際編成となった日に、三嶋神社に参拝して復興祈願の手作り絵馬を掛けてみたりもし、機会あるごとにボランティアにもお祭り文化の奥深さを学んでいこう、と呼びかけてみました。
毎朝4時にセンターを出発するオプションの田束山ジョギングも実施したのですが、当面のところ参加者は主催者・蜘瀧本人のみ。
霊峰を開いた山伏の修行場であった「行者の道」を走り、滝の水で水ごりをして、不動堂で鐘をついて「お祭り復興」を祈る。
「風変わりなボランティア」が多いと評判の歌津センターですが、当人は至って真剣なのです。

 

お祭り復興支援は、長期にわたる取り組みになります。まずは知ってもらうことから。
第2段の編集ビデオとして、お祭りやその歴史と人々の思いについての解説テロップを入れたバージョンを作ることを考えています。
東京滞在中に国会図書館で「歌津町史」を調べ、RQ東京本部とも話をして、地元や佐々木さんにお約束した「お祭り復興に踏み出すための映像解説資料づくり」に取り掛かりたいと思います。

地元の方を招いてのバーベキューの様子

地元の方を招いてのバーベキューの様子

 

by 歌津ボラ 蜘瀧(スパイダー)

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