歌津の「さえずりの谷」で、二度目のキャンプを8/18-20に開催しました。小学2年生から中学1年までの子どもが年齢をこえて野遊びや竹細工を自由に楽しみました。被災後初めての夏休みに、思い切り遊べる遊び場を提供したい、という地元の親御さんたちの願いに応え、お父さんたちが幼い頃に隠れ遊んだ隠れ谷を再び遊び場としてよみがえらせました。藤弦の登りロープ、谷を渡るむささびロープ、薮を切り開いての秘密基地など。あいにくの雨続きでしたが、濡らしてしまった靴を火で乾かしたり、湿った木で焚き火をするために杉の葉を使ってみたり、逆境もプログラムにとりこんでの2泊3日。一回目のキャンプでは「冒険セット」と称する竹水筒など食器や軍手などをまとめて持ち運ぶのに土のう袋を使いましたが、今回はバージョンアップして、風呂敷の使い方を学びました。荷物の量に合わせて包み、ハンドバック型にもリュック型にもできる風呂敷の結び技は、「ものがない」状況ではとても役立ちます。

 

最後の夜には、火のついた松明をもった天狗が空から現われ、子どもたちに天狗の秘密を色々語りました。中学生は天狗の正体がスタッフであることは分かっているのですが、山に生きる知恵とスキルの高さが「天狗」という超人的なイメージになったのだという話を天狗自身から聞いて興味深げでした。他方、小2のひとりは、「夜は油売ったりしねぇのか?」と夜にお父さんたちがしている寄り合いのような時間の過ごし方を期待していたもよう。話は町づくりのことになり、子どもたちが昼間からやりかけていた薮を切り開いて学校へ通じる車道までの谷の道を完成させ、「そこに子どもの町を作ってもよい」という許可を天狗からもらいました。但し自然を大切にし、仲間を大切にする、という契約のもとで。

 

 

子どもたちは大の虫好きで、虫取りをしては竹で虫かごを工夫し、それを「いきものの里 動物園」に飾りました。かと思えばスタッフのひとり「魔女」が料理したバッタを食べたり、ヨモギを焚いてハチを追い払った蜂の巣からハチの子を採って食べたり。あれこれ楽しんだことを聞きつけて、キャンプ参加者ではなかった小学生まで谷に下りてきて、作っておいた遊具で遊んだあと、「また来るね」と言ってくれたのは、キャンプを準備した者たちには本当に嬉しいことでした。数日たって水曜の大人の寄り合いに顔を出した中学生参加者は、「つぎのキャンプはいつ?」と、町づくりごっこの続きを期待していました。

 


キャンプイベントだけではなく、日常的に子どもたちが遊びを発展させ、自分たちの「町」を薮の中に発展させていく、そんな場所に「さえずりの谷」がなれば、RQ歌津センターの地域へのささやかな贈り物としては成功だと思います。

 

一回目のキャンプ同様、このキャンプは、スタッフはもちろん、それ以外にもたくさんのボランティアの力で実現しました。事前の遊具作りに精を出してくださった皆さん、食事準備スタッフを蔭ながら手伝ってくださった皆さん。また、子どもキャンプのために工夫し、習ったスキルが、ボランティアのテント村での活動に転用されたこともありました。縄と木の棒だけで高い樹に登る「ぶり縄」の技術が、樹に引っかかった魚網をとりはずすのにも活用されたり、ヌカを使って油モノ食器を水なしで洗うことも試してみたり。「モノが溢れてはいない状況で、あるもので工夫する」「片付けにきたボランティアがゴミを出して被災地に負担をかけない」といった歌津センターが実行しようとしてきた試みは、そのまま「子どもキャンプはさえずりの谷の自然や先住者(虫たち・動物たち・天狗や仙人)に迷惑をかけない」というルールと自然に共鳴しあうものでした。

子どもたちの期待もあるので、秋にもデイキャンプなどができればと考えています。「天狗のポスト」も出来て、それで子どもたちはさえずりの谷の天狗と交信もできます。町づくりのアイデアや、竹で自由にものづくりをできる、創造の場がさえずりの谷に生まれるでしょう。子どもたちの親御さんや谷の地主さんからは「ここは秋には生りモノ(木の実やキノコ)も多いから」と言われていて、山の幸の楽しみもあるかもしれません。子どものお祭りごっこのおみこしも飾ってあるので、次に集まるときには、天狗神社の開設式になるかも? 孟宗竹を手に入れて、鳥居をつくってしまおうか、など、夢は広がります。
  
by 歌津ボランティア スパイダー・蜘瀧

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