1/13(金)、午後から童子下というこじんまりした仮設住宅の集会場で行われた水墨画教室に参加してきました。集まったのは区長の佐藤さんと奥様のほか、ご近所の仲良しさん達6名です。東京からお越し下さった水墨画の先生は3人。それぞれ個性的で、担当する画題別に丁寧に描き方を教えてくれました。区長さんと奥様はそろって梅を描き始めましたが、久美先生からお褒めの言葉がでるのはどうも奥様の方が多い様子。区長さん、ちょっと悔しそうに奮闘するも自分の好きなように勢いよく筆が跳ねてしまいなかなか先生の言ったとおりに出来なくて苛立ちがお顔に見え隠れします。それでも先生のお手添えもあって、2枚3枚と描くうちにどんどん上達していくのがはっきりとわかりました。最終的には絵葉書に清書したご自分の作品に大変ご満悦な様子でした。

 

 静かに黙々と梅を描き続けるもう一人のお母さんは、とても真剣です。話しかけるのがためらわれるほどの集中力を発揮して素敵な梅の花を咲かせてくれました。画題にマンボウを選んだお母さんは、どうしても胴体部分が細長くなってしまいます。目と口は本当に上手に描けていてかわいらしいマンボウさんなのに、胴体を描いたとたんにちょっと細長い違う生き物に見えてしまい、どうしてもふっくらとすそが広がったように描くことができません。何度も何度も練習し、皆から大声援を受けながらなんとか末広がりのマンボウを描きあげました。そして、すらすらっとタツノオトシゴを緑青色で描いた方は、後で辰年生まれの息子さんに絵を褒められたと、満面の笑みでご報告くださいました。

 龍の絵は中でも特に複雑で、果敢に挑戦したお母さんはお習字のくせがどうしても抜けず思うような線が描けません。あまりに集中したためか疲れてしまったご様子で、今回は途中から見学となりました。それぞれが自分のペースでやれるところがこのような教室の良いところだなと思います。その方は先生が描いた龍の絵ハガキをプレゼントされてとてもうれしそうでした。また、先生の中で唯一の男性である根本さんは、場を盛り上げる役どころ。いわゆるおやじギャグを連発し、お母さん達に大ウケです。真剣な筆さばきの合間に絶妙トークが混じり、水墨画というイメージからは全く想像できない、笑い声の絶えない楽しいひと時が繰り広げられました。

 皆さんが画題を描いた後、水墨画歴10年を超えるまき先生がエキシビジョンとして掛け軸サイズの水墨画を大迫力で描き上げてくれました。苔生す梅の木の下に亀と鶴がたたずんでいる構図で、左右の余白に書が書き込まれました。日本の水墨画では見かけないそうで、まき先生のお師匠さんの書とのこと。「人の思いは水のように形が変わり定まらない。生きていくのは辛いことも多いけど、絶えることのない願いと希望をもって前に進もう。一人で進むその道も皆と進むその道も明日への光で照らされている」だいぶ端折りましたが、書が加わることで水墨画の迫力が一層増して、イメージがガラッと変わる様はまさに圧巻でした。

 あいにく私は定員いっぱいで描かせてもらう事ができませんでしたが、水墨画の世界にぐいぐいと引き込まれていく感覚を味わうことができました。参加したお母さん達もまだ描き足りなそうで、また来て教えてほしいとお願いする一幕もあり、できることなら何回か教室が続けられればいいのにと、少し残念な気持ちで仮設住宅を後にしました。

 RQW 村松

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